
日本酒のラベルはどのように読めばよいのでしょうか?
こんな疑問にお答えします。

日本酒のラベルが読めるようになればどのような味わい、香りなのかある程度のあたりがつけやすくなります。詳しくみていきましょう!
精米歩合
精米歩合が60%と書かれている場合、60%削ったのか、60%残ったのか、どっちだと思いますか?
玄米から表層部を削った米
精米歩合は玄米の何も削っていない状態を100%とします。
つまり、精米歩合とは玄米から削っていって残った米の割合を意味するのです。
最初の質問は「60%残った」が正解ですね。
日本酒はこの精米歩合によって呼び名が変わります。
精米歩合が60%以下だと「吟醸酒」。
精米歩合が50%以下だと「大吟醸酒」。
僕の手持ちの日本酒だと33%~90%まであります。

左は50%以下なので大吟醸酒、右は61%以上なので吟醸酒でもありません。
では、この精米歩合が異なることで何が変わるのかと言うと、香りと味わいです。
食用のお米は精米歩合が90%程度です。
なので精米歩合が低い(あまり削っていない)と米の味がしっかり出ますが、香りは抑えられます。
逆に精米歩合が高いと「吟醸香」と呼ばれる果物のメロンやバナナ、リンゴのような甘くて、さわやかな香りが楽しめます。
味も米の味が抑えられ、綺麗な味わいになります。
精米歩合が高いから良い酒ではなく、あくまでの香りや味わいを決める1つの指標です。
ただ、米を磨くのは大変なのでそれだけ手間暇がかかっていることは確かです。
値段にもそれが反映されますしね。
米の種類
日本酒を作る場合、「酒米」と呼ばれる日本酒専用のお米を使います。
ただ、食用のお米が使われないわけではありません。
「精米歩合」で紹介したお酒はササニシキを使っていますしね。
では、酒米の代表的なものを3つ紹介しましょう。

日本酒界の王様的な存在です。
味はコクがあり甘口になりやすいと言われています。
香味はバランスが良く、きめ細かいまろやかさを持った風味が楽しめます。
山田錦か、そうではないか、が分かれば、日本酒通と堂々と言えるでしょう!
ちなみに、僕は山田錦かも?くらいは分かりますが、確実に当てろと言われると難しいですね。
100年以上途切れずに栽培され続けている唯一の品種です。
日本酒界の元祖的な存在ですね。
山田錦もルーツをたどれば雄町にいきつくくらいです。
味は芳醇でコクがあり、味わいのしっかりしたお酒になります。
ただ、雄町は味に幅のある個性的な香味になりやすいので、酒蔵によって味の違いがよく出ます。
そこも面白いんですけどね!
五百万石は山田錦に作付面積を抜かれるまで40年間1位でした。
それだけ日本酒によく使われていたということです。
日本酒界の辛口の王様。
吟醸酒用には不向きで、端麗でキレイな酒質になりやすい特徴があります。
今はフルーティーな日本酒が若者受けしているので、昔ながらの辛口なTHE日本酒を飲みたい場合はこちらがオススメですね。
他にも「愛山」、「美山錦」、「出羽燦々」、「酒未来」、「森のくまさん」など多くの酒米があります。
自分が好きな酒米を探してみるのも楽しいと思います。
ちなみに僕は「雄町」が好きです!
雄町好きを「オマチスト」なんて言ったりもします。
アルコール度数
日本酒は普通に作るとアルコール度数が17~18度になります。
缶チューハイでアルコール度数が一番高い「サンガリア スーパーストロング12レモン」で12度です。
それに比べても5度も高い!
日本酒は焼酎のように何かと割ったりは基本的にしないので、このままの度数で飲むことになります。
もちろん、人によってはかなりきついですし、僕も喉が焼けるくらい辛口のきついお酒に出会ったことがあります。
そんな事情もあって、日本酒業界では低アルコールのお酒が注目されるようになりました。

低アルコールにするためには通常の作り方とは違ったひと手間が必要です。
「加水する」の問題はイメージしやすいと思います。
単純に水で薄めてしまえば、せっかくの香味のバランスが崩れてしまいます。
それでも美味しいお酒になるような工夫が低アルコールのお酒には隠れているのです。
日本酒って面白いでしょう?
まとめ
精米歩合とは玄米からどれくらい削って米が残ったかの割合。
精米歩合が高いから良い酒というわけではない。
酒米には多くの種類があり、酒米ごとに味と香りに特徴がある。
アルコール度数は17~18度が一般的で、消費者のニーズに合わせた低アルコールのお酒も登場している。