【書評】カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話/木暮太一

教育部

今回紹介するのは『カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話 [ 木暮太一 ]』です。

『カイジ』は自堕落な日々を過ごす主人公がギャンブルの世界にのめりこんでいくという人気漫画です。
藤原竜也さんで映画化もされています。

本書はカイジの経験を通して現実社会に活かすにはどうすれば良いのかを考える内容になっています。

ようさん
ようさん

僕が本書を読んで実践していること、意識していることを5つ取り上げました。詳しく見ていきましょう!

人生を変えるために倒すべき敵

人生を変えるために倒すべき敵、それは「妬みの感情」と「動かないのがベストという考え方」です。

妬みの感情

まずは言葉の定義から認識を合わせていきましょう。

妬みとは?

他人を羨ましく思い、その分だけ憎らしいと思う感情

他人を羨ましいと思うことは誰にでもあることです。

現代はネットが普及した影響で誰かと比べるということが容易にできるようになりました。

さて、ネットやテレビを見ていて羨ましいと思うのはどのような時でしょうか?

妬みの根本にあるのは「『平等のはずなのに…』という感情」(P51)

イケメンが美人の彼女を連れていても何も思わないけど、自分と同じような容姿だったら「なんであの人だけ…」となるのと同じです。

見知らぬ人が成功しようが、失敗しようが、本来は自分に関係ないはずです。(P52)

いくら美人の彼女を連れているフツメンの男性を憎んだとしても、あなたとは関係ないのです。

友達になって美人の彼女をどうやってゲットしたのか教えてもらった方がよっぽど有意義です。

自分の人生を変えたければ、相手を引きずりおろすのではなく、自分が違う場所に行かなければいけません。妬んでも何も変わらないのです。(P55)

僕が尊敬している人にしらぴょんという人がいます。
この人を見ていると妬んでも何も変わらないというのがよく分かりますよ。

動かないのがベストという考え方

減点方式で考えた結果、引き起こされるのは、「ミスをしなければ満点」「わざわざ動いてミスをすれば減点」という考え方です。(P62)

この減点思考の影響はいろいろなところにも表れています。

例えば、免許のゴールド免許。
ゴールド免許は「5年間無事故・無違反」を守って取得することができます。
それが、5年間ちゃんと運転した人と、5年間運転していないペーパードライバーが同じゴールド免許を与えらえるのはおかしな話です。

例えば、学校のテスト。
テストは理想的で絶対的な”正解”があり、それと異なる場合に決められた点数を減点していきます。

小学校の算数で次のような問題がありました。

リンゴが2つずつ入った袋が3袋あります。
全部でリンゴはいくつありますか?

式としては「2×3=6」と「3×2=6」の2つ考えられます。
どちらも正解のように思えますが、後者のケースは×になってしまうことがあるそうです。

僕が子供の頃はそのようなことはなかったのですが、何を求めてこのような教育になったのでしょうか。

減点を恐れると、チャレンジすることで得られるプラスの側面ではなく、失敗して失うマイナスの側面ばかりに目が行きます。何も失わないように、静かにそーーーっと生きるようになるのです。(P73)

人間には保有効果という心理現象があります。
自分が保有しているものに高い価値を感じ、手放すことに抵抗を感じる現象のことです。

失うことはたしかに怖いです。
ですが、考えてみてください。
静かに生きて死ぬ間際にふと手元を見るとあるのは古びた何かだけ…

世の中にはズルがあるという前提

この世界には「絶対的な悪」「絶対的な悪」はありません。(P88)

戦争でたくさんの人を殺した人は英雄と呼ばれますが、時代が変わればその人はただの犯罪者です。
正義や悪というのはその人の背景によって変わるものです。

「そもそも、イカサマがない社会などない」「ズルがない社会など実現できない」(P88)

僕が好きなアニメに「ノーゲーム・ノーライフ」があります。

このアニメは全てがゲームで決まる世界で、人間のほかに魔法を使える種族もいます。

このような種族とゲームをしていくのですが、人間には魔法を感知することができないため、相手にとってはイカサマし放題やり放題なわけです。

この世界には十の盟約という絶対不変のルールがあるのですが、その中に「ゲーム中の不正発覚は、敗北と見なす」というものがあります。

つまり、イカサマは不正発覚=証明できなければいけないのです。

人は、言い訳ができるとズルをしてしまう生き物です。
そしてさらに、ズルをしてしまったときには、自分の中で言い訳を見つけて、その行為を正当化してしまう生き物です。(P95)


例えば、コンビニでお釣りを多くもらった、金額が間違っていた、という経験はないでしょうか。
これらは言わなければ分からないものです。
相手が間違ったのだから、自分は悪くないという言い訳をすることも出来ます。

そもそも世の中は潔癖ではありません。
いちいち腹を立てていたら、時間がいくらあっても足りません。
であれば、世の中にはズルがあるという前提で、戦っていくべきではないでしょうか?(P93)

まだ何者でもない自分に期待しろ

日本人が目標を持っていないのは、環境のせいだけではありません。
自分に期待しないのが大きな原因の1つです。(P129)


近代日本の幕開けに貢献した人として有名なのは「坂本龍馬」でしょう。

彼は独自の目標を持ち、それを実現するために日本を駆け回りました。

他にも目標をもって行動した人というのはたくさんいます。

ですが、あなたの周りに明確に目標を持って行動している人はいるでしょうか?

単に「期待していない」のではなく、「敢えて、自分にはできない」と思うようにしているのです。
そして、それを”チャレンジしない言い訳”にしているのです。(P129)

言い訳とは怖いもので発作のように出てしまうときがあります。

本当はやった方が良いことでも、あえてしない理由を探しだして、楽をしてしまうのです。

「自分はまだ本気を出していない」と余裕ぶることで、”査定”されることから逃げているのです。(P132)

言い訳をする時の背景には「怒られる」「批判される」という恐怖があります。

自分自身に言い訳する場合は理想の自分から批判されるのを恐れているんですね。

そして、逃げるといえば、あのドラマです!

2016年に星野源と新垣結衣主演の「逃げるは恥だが役に立つ」というドラマが放送されました。

逃げることは減点思考で言えばマイナスです。
傷つきたくないや恥ずかしいという気持ちがわくのも良く分かります。

ですが、このドラマを通して感じたのが、「逃げる」という行動を起こしたということです。
何も行動を起こさなければ、逃げた先での出会いもなかったでしょう。

本章で伝えたいのは言い訳をして何も行動を起こさないことです。

何も行動を起こさなければ、それは「満点」ではなく「ゼロ点」です。
失敗しても、取り返しがつかないことでなければ、改善していけば良いのです。

人間万事塞翁が馬

塞翁が馬とは ?

人生の禍福は転々として予測できないことのたとえ

この言葉を座右の銘にしている人も多いのではないでしょうか。

本書には著者の解釈も載っているので紹介します。
この解釈が僕は好きです。

不幸に思えたことが幸福に転じる(P230)

もしかすると、コインの表と裏のように幸福と不幸は同時に存在しているのかもしれません。

人は自分が見たいものに意識を向けています。
これをカラーバス効果と呼びます。

人によっては不幸だと思えることでも、人によってはチャンスなのかもしれません。

「かわいそう」という言葉は、人を突き落とす(P223)

JUJUの曲に『かわいそうだよね (with HITSUJI)』という歌があります。
この曲が「かわいそう」の本質をついています。

JUJU 『かわいそうだよね (with HITSUJI)』Music Video

「人をかわいそう」と思ったところで、状況は何も変わりません。むしろ、「人をかわいそう」と思うことは、「自分はかわいそうじゃないですよ」という裏返しで、自分が安心しているだけです。(P225)

この曲の歌詞は「かわいそうだね」「ああはなりたくないね」と友達と話していたけど、話している自分こそが空っぽのかわいそうな人だったと気づく内容になっています。

僕は病気ですべての髪の毛が抜けてしまったことがあります。
その時にかわいそうと声をかけられることもありました。
ですが、自分にとってはもうこれが普通のことなので、かわいそうと言われてもどう返していいのか分かりませんでした。

この時にかわいそうの本質に初めて気づいたのです。

人間万事塞翁が馬、人生とはどこで何が起こるか分からないですね。

今度こそ

「今度こそ、人生を変えてみせる」(P250)

映画『カイジ 人生逆転ゲーム』 でカイジが繰り返すセリフです。
「今度こそ」ということは、これまで何度か(何度も)人生を変えようと思い、そのたびに失敗してきたこそでしょう。(P250)


カイジはギャンブルの世界にのめりこんでいく漫画です。

そのため、ここでいう「今度こそ」。

悪くとらえるとパチンコにはまって、「今度こそ」勝ってやると思い、没頭していく様子にも見えます。

良くとらえると目標をもって、勝つまであきらめず、チャレンジし続けるという様子にも見えます。

筆者が言いたいのは後者の方です。

”のろまなカメ”の自分を尊重する。(P212)

ウサギとカメの話は足の速いウサギと足の遅いカメが競走をし、最終的にはカメが勝利する話です。

童話とは面白いもので僕たちに色々な気づきを与えてくれます。

実はこの話、ウサギが休んだからカメが勝ったという単純な話ではないのです。

ウサギは何を見ていたのか。
ウサギは、カメを見ていました。
だから、ノロノロとやってこないカメに、油断をしてしまったのです。

対するカメは何を見ていたか。
ゴールを見ていたのです。
カメがウサギを見ていたら、昼寝をしているウサギを見て、自分も休んでしまったかもしれない。
ところが、カメはそうしなかった。
ゴールを見ていたからです。

引用:ITmedia エグゼクティブ

この内容を読んでハッとさせられました。

目標を達成できるのは、結局のところ自分だけなのです。

周囲ばかりに気をとられてウサギのようになっていないでしょうか?

僕のヒーローアカデミア」には面白い校訓があります。

それが「Plus Ultra(プルス ウルトラ)」。

元はスペイン国王カルロス1世が採用した個人的モットーらしいです。

Plus Ultra(プルス ウルトラ)とは?

もっと先へ、もっと向こうへ、更なる前進

カメのように歩みは遅くともゴールをしっかりと見据えて更なる前進を続けていきたいですね。

人生を変えるとは、今日を変えることなのです。
そして、今日を変えるということは、今日の考え方を変えるということです。(P244)

書評まとめ『カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話』木暮太一

『カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話』いかがでしたでしょうか?

たとえ今、どん底にいたとしても、その穴から登ろうとしなければ、いつまでたってもどん底のままです。

どん底にいることを嘆いているだけでは何も状況は変わりません。

一歩踏み出す勇気がはいあがるためには必要なんだと思います。

書評まとめ
  • 倒すべき敵は自分の中にいるのです。
  • 世の中は潔癖ではありません。その前提で戦っていきましょう。
  • チャレンジしない言い訳ばかりを探すのではなく、小さくても一歩前へ。
  • 幸福と不幸は同時に存在しています。すべては本人のとらえ方次第。
  • ゴールを見据えて、コツコツと更なる前進を。

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