今回紹介するのは『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り [ 星 渉 ]』です。
著者は「心を科学的に鍛える」ことをモットーにしています。
そのため、心理療法やNLP(神経言語プログラミングの略称で別名は「脳と心の取扱説明書」)、認知心理学、脳科学の視点で考えたアプローチが多いです。
エビデンスが大事だと考えている人にとって説得力のある本になっていると思います。

僕が本書を読んで実践していること、意識していることを5つ取り上げました。詳しく見ていきましょう!
変わらない日常を科学的に分析
私たちが毎日行っているさまざまな”選択”や”行動”も、こうした心理現象によって、知らず知らずのうちにコントロールされています。(P20)
こうした心理現象とは?
「変わらない日常」にしてしまう心理現象には4つあります。
これらは大掃除の片付けの時によく現れます。
この服は長年来てないけど、愛着があるし(保有効果)、高かったし(サンクコスト)、捨てるのはもったいないな(損失回避の法則)。
そのうち、役に立つ時が来るかもしれないし、このまま保存しておこう!(確証バイアス)
結果、大掃除は進まず、来年も同じような行動をとってしまうのです。
つまり、コントロールされている心理現象は「今のままでいようとすること」がほとんどなのです。(P20)
変えるべきは自己評価
日常を変えるとは選択と行動を変えるということです。
では、選択と行動を変えるにはどうすれば良いか?
そこで登場するのが自己評価です。
自分、または、他人の基準と照らし合わせて、自分の価値を決めること
自己評価が低いままだと、「自分には出来るわけがない」」という発想が先行し、適切な手段をみつけようとしない場合がほとんどです。
見つかるのは「やらない自分を正当化する理由」ばかり。(P44)
「やらない自分を正当化する 」 ということは、やらないことが正しいという情報を集めて、自分の考えは間違っていないと思いこむことです。
つまりは確証バイアスの心理現象が働いているわけです。
なぜこのようなことが起きるかということ、人間の脳というのは見えているものをすべて認識することができないからです。
あらゆる情報の中から「これを認識すべきだ」というように、”認識すべき情報を選んでいる”わけです。(P64)
その見えているものというものがあなたの自己評価に基づいているのです。
このことをカラーバス効果と呼びます。
ある特定のものを意識し始めると関連情報が自然と目に留まりやすくなる心理効果
世の中をあなたの自己評価というフィルターを通して見ているイメージです。
フィルターがネガティブなことばかり通すのであれば、見えてくるのはネガティブな世界です。
フィルターがポジティブなことばかり通すのであれば、見えてくるのはポジティブな世界です。
あなたならどちらをフィルターを通して世界を見たいでしょうか?
手段は自動的に見つかる
あなたが実現したいことを実現する手段は「考えて作るもの」ではなくて、「自動的に見つかるもの」なのです。(P40)
何を言っているんだ?
そんな簡単に見つかったら苦労なんてしないよ!
そんな声が聞こえてきそうですね。
目指すべき場所の明確化がすべての始まり(P74)
あなたが何を実現したいのか、何を手に入れたいのかが明確にならない限り、自己評価の設定はできないのです。(P74)
手段が自動的に見つかるためには、まずその目的地を設定しましょうということ。
それも明確に!
あなたがお金持ちになりたいとして、どのくらいレベルがあなたにとってのお金持ちでしょうか?
月収100万?それとも1000万?
なにかを成したいと思っていても、それが明確になっていない場合がほとんどです。
そして、ここで重要なのが、なぜ実現したいのか?ということ。
「なぜ?」に対する答えは、あなたの行動に直結するからです。(P86)
「なぜ?」に答えられないということは、行動しない理由を探しだしてしまい、行動しない自分を正当化してしまうのです。
もう何回も登場している確証バイアスですね。
目的地も明確にした!
実現したい理由も明確にした!
それであとは大丈夫なのかというと、残念ながら人間の脳というのは忘れっぽいのです。
目標を毎年立てるけど、結局はなにひとつ達成できていない。
それは、実はあなたに能力がないのではなく、単純に「忘れてしまっている」だけなのです。(P99)
忘れないように紙に書いて毎日見るのも良いのですが、筆者は別の方法をオススメしています。
実現したい理想の画像を1日1回見るだけ(P96)
人間が得ている情報の量の割合が一番多いのはどこかご存知でしょうか?

実に8割以上が視覚から得ているのです。
ぜひあなたの完成図に近い画像を探して毎日1回以上見て、脳に覚えさせましょう。
毎日繰り返す
「三日坊主」は、脳の仕組みが原因なのです。(P104)
年末に大掃除をしてあとは新年を迎えるだけ。
新しい年が始まったら今までの自分を変えるように目標をたてて頑張ろう!
そんな風に正月を過ごした経験がある人は多いのではないでしょうか。
しかし、おそろしいことに新年に立てた目標というのは達成できたことがありません。
新年早々に継続できなかったことで挫折からスタートしたこともあるくらいです。
まずは三日坊主の仕組みを知っておきましょう。
もともと、脳は新しい環境や刺激に対して大きく反応して、活性化されるようにできています。
ところが、同じ刺激が繰り返されると次第にその活性化は弱まっていきます。(P104)
最初の頃はやる気満々でモチベーションも最高潮!
ですが、ここがすでにピークなわけです。
ピークを迎えたらあとは下降するだけ…
刺激にもなれて脳が活性化しないため、飽きて面倒になりやめてしまう。
これが三日坊主の仕組みなのです。
同じことを繰り返されると脳が活性化しないのはどうしようもありません。
なので対策として筆者がオススメてしているのは、
「ちょっとだけやればいい」(P108)
ということです。
最初から筋トレを毎日30回必ずやるぞーと思っていても、どこかで飽きというものはきます。
そのような時に1回だけやるのです。
そうすると、1回だけでは物足りない、もったいないという気持ちが生まれ、10回、20回とやるようになっていくのです。
感情をコントロールする
自己評価を高めると言われても、不安な自分がいる…
そんな風に感じていませんか?
不安や緊張という状態は、脳が一種の危険信号として、あなたに対して「いつもの違いますよ!大丈夫ですか?」と送る合図です。(P197)
コンフォートゾーンという言葉があります。
ストレスや恐れ、不安を感じることがなく安心して過ごせる環境のこと
僕のイメージをお話しするとコンフォートゾーンとはつまり、こたつに入っている状態です。
完全に安心しきっており、もうそこから動きたくない…
そのような状態がコンフォートゾーンです。
脳がコンフォートゾーンを感じてしまったら、そこから動きたくなくなります。
なので、不安や緊張を感じるということはコンフォートゾーンから外れている証拠なのです。
では、不安や緊張を感じたらずっとのそのままでいないといけないのかというとそうではありません。
「不安」や「緊張」を認めてあげること(P197)
一度はっきりと認めることで、それ以降、脳が不安や緊張に対してフォーカスする頻度が減るため、増長しなくなるということなのです。(P198)
コンフォートゾーンを外れた結果、悩みが生まれる場合があります。
仕事でミスをして、あの子に嫌われて。
そのようなことでいつまでもクヨクヨと悩んでしまったことはありませんか?
それはなぜか?
私たちの脳に「1つの問題を何度も何度も頭の中でリピートするという癖があるから」です。(P200)
この対処には頭の外で考えること、ずばり、紙に書くこと(P200)が有効です!
この方法はエクスプレッシブ・ライティングとも呼ばれており、メンタリストのDaiGoさんも「ストレスを操るメンタル強化術 [ メンタリストDaiGo ]」で紹介しています。
ぜひ、試してみてください!
僕も不安や緊張、悩み、イライラ、悲しみ、そんな負の感情を感じた時はノートにただただ思いつくまま書いています。
そうすると不思議なことにネガティブなことを書いていたはずが、最後の方はまた明日から頑張っていこうとか、このような方法を試してみようとか、そんなポジティブの気持ちが生まれているのです。
「負の感情」が生まれている時は、「今」を生きていない証拠です。(P209)
不安や緊張はまだ起きていない未来のこと。
怒りや悲しみはすでに起きてしまった過去のこと。
負の感情というのは今に意識がいっていないときに生まれるということです。
思いを巡らすのは過去でもなく、未来でもなく、「今」です。(P211)
書評まとめ『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』星渉
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』いかがでしたでしょうか?
なんで継続できないんだろう…
なんでイライラするんだろう…
そのような気持ちが現れた時、脳のこの仕組みのせいなのか!ということが分かっていれば少しは楽になると思うのです。
脳の仕組みを逆手にとって日常変えていきましょう!