【書評】苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」/森岡毅

教育部

今回紹介するのは『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」 [ 森岡 毅 ]』です。

4月1日は新入社員がドキドキしながら入社する日です。

きっと会社を選ぶのにも苦労したことでしょう。

あなたは会社を選ぶ時にどのような基準で選んだのでしょうか?

これから就職する人も、就職してすでに働いている人にも、本書はキャリアとはどういうことなのかを教えてくれます。

ようさん
ようさん

僕が本書を読んで実践していること、意識していることを5つ取り上げました。詳しく見ていきましょう!

自分の中に基準となる「軸」があるか?

君が真っ先に悩んで、そして最後まで集中して考え抜くべきなのは、君のキャリアにとって重視すべき「軸」なのだ。(P27)

キャリアってよく言いますが、実際の意味ってよく分からなくないですか?

一般的には経歴や出世という意味合いで使っているかと思います。

厚生労働省が提唱しているキャリアの概念の中には「時間的持続性ないしは継続性を持った概念」と定義されています。

僕の解釈としては「積み重ねて持続していけるもの」だと考えています。

グラつかないように積み重ねるためにはその「軸」が必要になります。

ではその「軸」をどうやって見つければよいのか?

最終的には、今の君の精一杯の価値観で、君が「軸」を決めるしかない。(P26)

「軸」は一度決めたら変えてはいけないものではありません。

本書では本当に自分の中に軸がないのであれば、「あみだくじ」で選んでも良いと書かれているくらいです。

まずは「軸」を決めて前に進み、ライフステージの変化に合わせてアップデートしていけば良いのです。

キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている”特徴”を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということだ。(P33)

本書にはこの文脈と言う言葉が良く出てきます。

この表現、ものすごく分かりにくいと感じるのは僕だけでしょうか。

文脈の意味を調べてみると、

文脈とは?

文章の流れの中にある意味内容のつながりぐあい

と書かれています。

つまり、○○(目的)を達成するために僕の特徴である☆☆は有効だ!という文章になるようにするということでしょう。

例えば、目的を「ソフトウェア業界に就職すること」、特徴を「人見知り」だとします。

そのまま当てはめると文章が成立しませんよね。

人見知りという特徴を分解すると他の言い換えができます。

相手をよく観察している、相手を気づかいすぎている、話下手、etc…

この特徴をプラスに言い換えて、強みとなる文章を作成してみましょう!

コントロールできることは3つしかない

君がコントロールできる変数は、①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択、最初からこの3つしかないのである。(P56)

人間は平等ではないということは、これまで生きてきた人なら誰でも気づいているでしょう。

金持ち父さんと貧乏父さん

イケメンとブサメン

この世にはコントロールできないものがたくさんあります。

僕も金持ちの家に生まれて、イケメンであったのなら、人生はもっと楽勝だっただろうなと考えたことがあります。

しかし、そんな風に嘆いていても1ミリも事態は好転しないのです。

自分がもって生まれたものを活かす道筋を探していく…

それはまるでアニメの「僕のヒーローアカデミア」のようではありませんか!

コントロールできる3つのことも共通しています。

①個性の理解、②個性を磨く努力、③最高の環境である雄英に入学

自分にとって成功を定義づける目的を明確にしなければならない。(P72)

僕のヒーローアカデミア」を例にすると、主人公のデクの目的は「最高のヒーローになること」です。

デクにとって最高のヒーローになるための確率が高いのが、雄英に入学して学ぶことでした。

③環境を選択したあとは、①個性の理解と②個性を磨く努力を続けています。

①個性の理解も一度だけではなく、②努力の過程で新たな気づきがあったりするのです。

理想状態からの発想法

具体的な”こと”から発想するのではなく、”どんな状態”であれば自分はハッピーだろうかという未来の理想”状態”から発想することである。(P112)

デクの成功の定義である「最高のヒーローになること」。

これは具体的な”こと”ではないですよね。

最高にヒーローになった状態であれば自分がハッピーだろうという未来の理想です。

デクにとって最高のヒーローとはオールマイトです。

では、どのようにすればオールマイトになれるでしょうか?

もちろん、オールマイトとまったく同じになることなどできません。

作中でもデクはオールマイトを尊敬するあまり、自分を見失ってしまうことがあります。

自分がナスビなら立派なナスビへ、キュウリなら立派なキュウリになるように、ひたすら努力を積み重ねれば良いのだ。(P150)

デクは自分なりのスタイルを見つけ、自分なりの最高のヒーローを目指すようになります。

きっとその過程で最高のヒーローとはどういうことを意味するのかに気づく時が来るでしょう。

その時が今から楽しみです!

あなたにとってのどのような状態であればハッピーになれるでしょうか?

My Brandの設計

君がまず躍起になるべきは、ブランドを構築する一貫した行動と、結果を出すことにこだわること、その2つだけだ。(P198)

僕のヒーローアカデミア」でのブランドと言えば、”平和の象徴”オールマイトでしょう。

オールマイトは少年時代、師匠にこのようなことを話しています。

みんなで笑って暮らせる世の中にしたいんです。
そのためには「象徴」が必要です。

この国から、犯罪が減らないのは、国民によりどころがないから…
頼れる「柱」がないからです。
ですから、僕がその「柱」になります!

オールマイトはこの信念をもとに、行動してきました。

その結果が実績となり、”平和の象徴”というブランドになったのです。

なぜ、このブランドが必要なのか?

自分のキャリア戦略の最重要な指針として機能する。どんなスキルを開発すべきなのか、どんな業界でどんな実績を積んだ方がブランド(自分)は強くなるのか、都度の判断が明瞭になる。(P159)

選択の科学」では選択肢が多いと逆に選択できなくなるということが実験で証明されています。

何かを選択する時、いろいろなことを考えてしまって疲れてしまった経験はないでしょうか。

選択するということは脳に負荷をかけることでもあるのです。

ブランドを羅針盤やコンパスと言い換えた方が分かりやすいかもしれません。

コンパスは道に迷ったときに活躍します。

ブランドも同じです。

自分が設計したブランドというコンパスが示す方向があなたの進む道なのです。

強い人間とは

強い人間は、環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変えるか、そのどちらかができる。(P264)

転職には2種類あります。

前向きな転職と後向きな転職。

前向きな転職は自分のキャリアの目的を達成するために必要なとき。

後向きな転職は嫌なことから逃げるとき。

僕は一度だけ転職したことがあります。

その時は三六協定も真っ青な働き方をしており、上司とも相性が最悪でした。

「これが終わったら会社を辞めるんだ」という死亡フラグみたいなことを考えて働いていました。

このような転職はまさに後向きな転職です。

実際に転職した後、その会社にはまた相性が悪い人いて自分には合わない会社だなと思ったらすぐに転職を考えるようになっていました…

逃げ癖みたいなものがついてしまったのだと思います。

こんな時にも自分というブランドがあればどのような選択肢をとれば良いのかが見えてきます。

まず、自分がコントロールできるのは①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択の3つだけでしたね。

あの時の転職を前向きなものに変えるとしたら、次のような流れで転職先を決めたと思います。

自分の特徴となりたい理想の自分を考え、ブランドを設計



そのブランドを指針に今の環境で成長できるかを検討



成長できないと判断し、ブランドを成長させるにはのような環境が適しているかを検討



転職先の決定

未来は誰にも分かりませんが、過去は解釈次第でいくらでも変えることができるのです。

僕はこのワークをしたことで少し前向きな気持ちになることができました。

書評まとめ『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』森岡毅

『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』いかがでしたでしょうか?

本書は2年後に大学を卒業するのに何をしたいのか分からない娘に向けて、言葉ではうまく伝えられない不器用な父親が文章にしたものです。

娘と同じようにキャリアに悩むすべての人に役立つ本になっています。

書評まとめ
  • 集中して考え抜きべきことはキャリアにとって重視すべき「軸」。
  • コントロール出来るのは①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択だけ。
  • 目的を具体化できないのであれば、どんな状態が理想なのかから発想する。
  • ブランドは自分が進むべき道の指針となる。
  • 強い人間は、環境に合わせて自分を変えるか、自分に合わせて環境を変える。

タイトルとURLをコピーしました